Midnight Day


「おはよう…」


私と佑斗が同時に教室に入ると、佑斗ファンのみんながコソコソとこちらを見ながら話していた。


…そうだった。
佑斗は文化祭の時に私に告白したんだ。


「ねぇ、岩本って佑斗に告白されたらしいよー。可愛くもないのにまじあり得なくない?」


「確かにー。
しかも前に彼氏とか名乗る男と一緒にいたはずなのに何この子って感じだよねー。もしかして男遊びひどいんじゃない?」


私に聞こえるように、わざと言ってくる女子もいた。
そんな女子に腹が立ち、言い返そう口を開いた瞬間…


「おい、お前らやめろ!
俺はフられたんだよ!」


「ちょ、佑斗!?」


佑斗の言葉にみんなぽかんと口を開いた。
あり得ない、と言うように。


「だからさ、コイツのこと悪く言うのやめてくれないか?」


佑斗の言葉にみんなは“佑斗がそういうなら”と何も言わなかった。


私が告白を受けなかったことで、
佑斗はまだみんなのもの。


そう思ったのか、みんな何も言わなくなった。


フったことも少しは気に食わなかっただろうけれど…。

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