Midnight Day
その声があまりにも真剣みを帯びていて私の心臓はうるさく騒ぎ出した。
「……私の方こそごめんね。」
なぜ彼はすんなりと私の心に入ってくるのだろう。
その疑問が今、わかった。
月夜は、意地悪で俺様だけれど、何だかんだで優しいんだ。
現に今、喧嘩したにも関わらず、私を助けてくれた。
そんなこと言ったら、月夜に怒られてしまいそうだから言わないけど。
「何もされなかったか?」
月夜は抱きしめていた腕を解き、私を心配そうに見つめた。
「うん。
月夜がすぐに助けてくれたから。」
「そっか。」
「助けてくれてありがとね。」
「おう。もう何があっても助けてやらねぇけど。」
「えええっ!?ひどいっ」
そう言った月夜は、もうすっかりいつもの月夜で、私は自然に笑顔になっていた。
そんな私を見てなのか、月夜も笑ってくれて。
数分前の恐怖はすっかり消えていた。