Midnight Day


それはさすがに無理か。
なら、佑斗にだけプレゼントを作ろう。
文化祭が終わるのは死ぬ1週間前。


……プレゼントを作って告白しよう。
結果はどうだっていい。
ただ、伝えたい。この思いを。


「みんなで協力すればそんなに予算かからないだろうから、クッキーたくさん買ってもきっと大丈夫でしょ!」


「まあ、それもそうだな。
何かあったら俺がサポートするし。」


「ありがと、佑斗。」


佑斗は優しい。
何かあったらいつも助けてくれる。
だから、女子にも男子にも好かれてる。
だからこそ、みんなが誤解してしまう。


……それは私も同じ。


「そう言えば、わざわざ佑斗の家を使わせてくれて…って言ったら言い方変だけど、ありがとう。」


「全然大丈夫。
またなんかあったら俺の家においで。」


「うん。
今日はありがとう。」


外を見ると日が傾き始めていた。
そろそろ帰ろう。
そう思って、立ち上がった。


「あ、岩本。」


「ん?」


いきなり呼び止められ、佑斗の方を見た。


「最近、お兄さんにからかわれたりしてないか?」


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