過保護な妖執事と同居しています!
それより清司がそっち系の能力で何をしようとしているのかの方が、ものすごく不安でたまらない。
「結界って、いったい何するの?」
「うちの神様がそいつにお願いされたんだ。オレはその願いを成就させるために使役されてるだけ」
いつの間に神頼みなんかしたんだろう。そして何をお願いしたの?
私は問い質すようにザクロに視線を送る。ザクロは清司に背を向けて、穏やかな笑みを浮かべながら私と視線を合わせた。
「頼子、お別れです。短い間でしたが、お世話になりました」
胸の奥に渦巻いていた嫌な予感が的中する。ザクロを失う不安が衝撃となって胸を貫いた。
ザクロにはそれが伝わっているはず。けれど私は努めて冷静さを装う。前の彼の時にように、きちんと話をしないまま有耶無耶に終わらせたくないから。
意を決して静かに尋ねた。
「どういうこと?」
「清司に頼子との絆を断ち切ってもらいます。自由になってください」
「なんでそんなこと……」
「このまま一緒にいると、いつか頼子を傷つけてしまうと思うからです」
理由を聞いても納得のできない私は、ザクロに憤りをぶつける。
「どうして? 私が年を取ったら一緒にここに戻ってくるんでしょ? 私が死ぬまでずっと一緒にいるって言ったじゃない」