過保護な妖執事と同居しています!
家に帰った私はすぐに鞄から繭を取り出した。帰りの満員電車で押しつぶされたのではないかと心配になったのだ。
幸い繭は無事だったようだ。小枝は少し折れ曲がってしまったようだが。
折れ曲がった小枝をのばしていると、繭が枝から外れて落下した。
私は咄嗟に手を広げてそれを受け止める。
「あ……触っちゃった……」
あれほど気をつけていたのに、うっかり触ってしまった。
私は呆然と手のひらの繭を見つめる。
別に何も変化は現れない。繭にも私自身にも。
けれど、なんだか少し怖くて、おもむろに押入の戸を開けて繭をそこに置き、ぴしゃりと戸を閉めた。