過保護な妖執事と同居しています!


 私は改めて周りを見回す。そして隣に座ったザクロに尋ねた。


「見晴らしがいいね。ここってザクロのお気に入りの場所なの?」
「はい。日の出や日の入りがよく見えます」

 これだけ見晴らしがいいと、確かにそうだろう。そう考えてふと閃いた。


「ねぇ、初日の出を見に来ない?」
「私はかまいませんが、ご両親が心配なさるんじゃないでしょうか」
「大丈夫よ。こっそり来てこっそり帰れば」


 我が家では初詣は日中に行くことになっている。大晦日には早寝早起きの両親も遅くまで起きているので、日の出の時間にはまだ眠っているのだ。


「かしこまりました。そろそろ帰りましょう。もう少し暖かい季節ならよかったのですが、ここは風が冷たいので頼子が風邪を引いてしまいます」


 相変わらず心配性の執事は、私に背中を向けてしゃがんだ。私は来たときと同じように彼の背中におぶさる。ザクロは私を背負って、岩から飛び立った。



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