過保護な妖執事と同居しています!
10.同じ穴の狢
結局、海棠に話をする機会がないまま冬休みを迎え、年が明けた。会社も始まり、オレは未だに話が聞けずにいる。
なにしろ、きっかけが掴めない。
海棠に何も変わった様子がないことから察するに、あいつはオレに会ったことを彼女に話してはいないのだろう。
彼女が聞いていないことをオレの口から話すのは、まるで告げ口のようではないか。
あいつは何者なんだ。おまえとどういう関係なんだ。
そう言って、彼女を問いつめる権利がオレにはないのだから。