過保護な妖執事と同居しています!


 強力になったらどうかわからないってことは、今ならできるってことなんだ。知らなかったけど、なんかすごい。ザクロの読みは当たっていたということらしい。

 でも清司は私の意思を蔑ろにしてまで、ザクロと引き離そうとはしないらしい。絶対にそんなことはないと信じているけど、もしもザクロが暴走した時には、清司が大変な目に遭うというのに。

 面倒くさがりのくせに、昔から友達のためには労力を惜しまない。蒼太もそんなこと言ってたっけ。

 約束通りザクロを清司から守りきったことに、私はちょっと得意になって意気揚々とザクロを待たせてある場所へ戻った。

 ところが、ザクロが荷物を袋詰めしていたサッカー台には子連れの主婦がいて荷物を詰めている。周りを見渡したが、ザクロの姿がない。


「ザクロ?」


 姿を消しているのかと呼んでみたが返事がない。何か買い忘れたものを探しに行ったのかもしれない。私は売場の方を探しに行った。

 売場をぐるりと一周してみたがザクロの姿はどこにもない。ふと言いようのない不安にとらわれた。
 もしかして清司に連れて行かれたの?

 さっきまで一緒にいた清司にそんなことができるわけもないのに、そんな考えが脳裏をかすめる。

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