過保護な妖執事と同居しています!


 私は居ても立ってもいられず、出入り口から外に駆け出した。
 宵闇に包まれたスーパーの前にある駐車場には、ポツポツと車が止まっていて、何人か人はいるものの清司もザクロもいない。

 私は大声でザクロを呼んだ。


「ザクローッ!」
「はい」


 突然後ろから返事が聞こえて、私は文字通り飛び上がって振り向く。買い物袋を下げたザクロが、不思議そうに私を見つめていた。
 一気に気の抜けた私は、思わずザクロにすがりついて抱きしめる。


「ザクロ。よかった。いなくなったのかと思った」
「申し訳ありません」


 ザクロは私がなかなか帰ってこないので、外に様子を見に出たらしい。ところが姿が見あたらなくてもうひとつの出入り口から中に戻ったところ、私が外にいるのを見てまた出てきたという。

 ホッとしてザクロにしがみついたまま、その存在を確かめる。少ししてザクロがためらいがちに話しかけてきた。


「あの、頼子。注目を浴びているようなんですが」


 ハッとして辺りを見回すと、スーパーに出入りする買い物客が、チラチラとこちらを窺いながら通り過ぎている。そういえば、ここはスーパーの真ん前だった。
 私は慌てて体を離し、ザクロを促した。


「帰ろう。お腹空いちゃった」
「はい。すぐに食事をご用意します」


 にっこりと微笑むザクロの腕を引いて、私はそそくさとスーパーをあとにした。


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