過保護な妖執事と同居しています!
「いただきまーす」
手を合わせて野菜炒めを口に放り込む。同じ横着料理なのにザクロが作るとどうしてこんなにおいしいんだろう。
「おーいしー」
「ありがとうございます」
ニマニマしながら食事を続ける私を、ザクロは嬉しそうにニコニコして見つめる。
少ししてザクロが遠慮がちに声をかけてきた。
「あの、頼子。今度のお休みの日には何か予定がありますか?」
「ん? 次の土曜日? 別にないけど」
「でしたら、もう一度故郷の山に行きませんか?」
「いいよ」
「わがままを聞いていただいてありがとうございます」
そういえば、ザクロが自分のために何か要求するのって初めてかも。清司が言っていた言うことを聞かなくなる前触れかもしれないと思わなくもないけど、ザクロの心が少しだけ見えたような気がして、私は嬉しくなった。