ぜってぇお前は女友達!
ゆな と はるき
「はあ…。」
自然とため息がでる。


 机から半分コされたプリクラを出す。


 プリクラの中で楽しそうに笑う俺。隣でいたずらっぽく笑うゆな。






 一度だけ、ゆなとはデートみたいなことをした。そんときのプリクラ…。俺の宝物のひとつになっとるんや。




 そんときは、観光名所を一緒にまわって、一緒にプリクラ撮って、一緒にご飯食べて、少し手ェつないで。



 タワーの展望台で、へっぴり腰になった俺を、ゆなは、
「はるきアホちゃう? どんだけ恐がりやねん(笑」
と口悪くだけど、優しく、手をひいてくれた。




「俺、高所恐怖症やねん。やばい、めっちゃ汗かいてきた(xдx)」

俺ってほんま情けねぇーよ、と思いつつ、ゆななら大丈夫、とへっぴり腰な姿をさらけだしていた。

 だって、ゆなにはあの不思議な力があって、全てをさらけだしても大丈夫な気ィするから。

 俺は、その不思議な力をもっともっと欲しくて、知らない間にゆなの手を握り返していた。





 あの時のゆなの困ったようなあきれたような、だけど面白がってるあの時の笑顔。
 グッと引っ張る柔らかいけど、どこか俺にない強さを感じるあの手のひらの感触…。





 忘れられへん。








 だから、あんとき、俺は、確実にゆなに恋したはずだった。




 なのに…

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