オルゴール〜涙音は永遠に〜
1章 .サナSIDE
わかっていた
霧島サナ(きりしまさな)。22歳。
私は1週間前、大学を卒業した。
東京で希望していた会社に採用され、今引っ越しの準備をしていた。
すると、押し入れの奥の方から、あるものがでてきた。
『なんだろ……これ』
フタを開けてみると、綺麗な音色が流れた。
『オルゴール………どうしてこんなものがこのなかに……?』
そして流れた一筋の涙。
『……ッ……これ、ユウがくれたオルゴールだ……』
あの時の記憶が徐々によみがえってくる。