オルゴール〜涙音は永遠に〜
涙をふき、階段を降りていくと、私の家に居候しているカオリがいた。
「あんた、泣いた?」
『えっ………なんで?』
「目、赤い」
『ははっ……やっぱカオリは鋭いね……』
「どうした?」
『ちょっと……昔のこと思い出しちゃって……』
「ユウ君のこと?」
『なんでわかったの…?』
「あんたはユウ君のこと以外では泣いたことないだろ?」
『…そう……だったね……』
「んで?どうした?」
『これが押し入れの奥からでてきたの……』
私はオルゴールを、カオリの前に出す。
「オルゴール?」
『そう………このオルゴールはね、ユウがはじめてプレゼントしてくれたものなんだ………』
「………それで?」
時は6年前にさかのぼる─────………