オルゴール〜涙音は永遠に〜
実は今日、許嫁との婚約を発表する食事会がある。
それが嫌な理由もあったけど、それよりも、この女とまた会えたことが俺にとっては今までにはない嬉しさがあったから無理矢理押し付けたんだ。
でも、俺はこの選択を間違ってはいないと思う。
だってこの後…………
『あっ………私もあなたのことを見ていたの………中3のとき、あなたがいつも学校の門の前で車から出ていくところを……私、あそこ通学路だったから……その、あなたの姿を見て決めたの……。この高校にはいろうって…………。私、何でこの高校にしたんだろって思ってた。だけど、今思い出したの。あなたに抱き締められて……。』
彼女も俺のことを見ていたということがわかったから。
気づいたら俺は泣いていた。
そして俺たちはなんのためらいもなく………
キスをした。