少女狂妄
「日向もおじさんも、君の思い違いに合わせて行動するからたちが悪い。特に、日向だ」


 どこか不満げに、樹は日向さんを嘲笑う。

 でも、私は胸が熱く高まる。

 日向さんは知っていたんだ。

 私の状態の事を……

 知っていた上で、私に合わせてくれた。

 私が日向さんを他人だと思っているから、私が混乱しないように他人として接してくれていたんだ。

 実の妹から他人として扱われて辛くないはずないのに、私をそのまま受け入れてくれた。

 涙が出る。

 こんな傷だらけの私を心配してくれて、大切に思ってくれている。

 日向さんが本当に好きだと思う。

 例え兄妹だとしても、だからこそ好きになる。

 また、傷口に涙が浸みた。

 なんてばかなことをしてしまったんだろう。
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