少女狂妄
私は血まみれのマフラーを足にまとわりつかせたまま、机に這っていく。
引き出しを開けて取り出したのは、大振りのカッターナイフ。
「懐かしいね、蛍」
姿の見えない幻覚の幻聴だけが聞こえてくる。
まるで耳に入り込んだ羽虫みたいな声が、神経を逆なでる。
ゆっくりと、カッターの刃を出す。
私はそれを服の上から腕に当てた。
勢いよく引くと、服が裂けておじさんが巻いてくれた包帯が露わになる。
その包帯も皮膚と一緒に引き裂いて、今ついた傷と洗面所でつけた傷が現れる。
カッターナイフを握り直す。
刃を包んだプラスチックの感触が、気持ち悪い。
熱に浮かされた時、肌に触れるシーツさえ厭わしいような心地。
私はカッターナイフを捨てて、ガーゼで覆われくっつき始めていた食虫植物の口をこじ開ける。
爪を立てた傷口からは、粘度のある黄白色の液が出た。
爪を退けると、少し糸を引く。
傷口は膿んでいた。
引き出しを開けて取り出したのは、大振りのカッターナイフ。
「懐かしいね、蛍」
姿の見えない幻覚の幻聴だけが聞こえてくる。
まるで耳に入り込んだ羽虫みたいな声が、神経を逆なでる。
ゆっくりと、カッターの刃を出す。
私はそれを服の上から腕に当てた。
勢いよく引くと、服が裂けておじさんが巻いてくれた包帯が露わになる。
その包帯も皮膚と一緒に引き裂いて、今ついた傷と洗面所でつけた傷が現れる。
カッターナイフを握り直す。
刃を包んだプラスチックの感触が、気持ち悪い。
熱に浮かされた時、肌に触れるシーツさえ厭わしいような心地。
私はカッターナイフを捨てて、ガーゼで覆われくっつき始めていた食虫植物の口をこじ開ける。
爪を立てた傷口からは、粘度のある黄白色の液が出た。
爪を退けると、少し糸を引く。
傷口は膿んでいた。