可愛くないって言わないで!!
ざわめく教室。
新しいクラスメイトたちの視線があたしに集中している。
無遠慮に見られても別に平気。
浮き足立つ男子たちの様子に、やっぱりなーと思うだけ。
やっぱりここでもあたしはモテちゃう運命なのだ。
「じゃあ藤村、自己紹介」
「はーい。藤村真衣です。親に男子とは仲良くしないように言われてるので、女の子だけ仲良くしてください」
よろしく、と言おうとしたのに
隣に立つ清水先生がまた吹き出すから止まってしまった。
「だからぁ、何で笑うんですか!」
「だってお前……! いまのはないだろ~」
なんでないの?
親に言われてるのはほんとだし、最初に言っておけばしばらくは男子も寄ってこないじゃん。