可愛くないって言わないで!!
「うるさいなー! もう出てって!」
「はいはい。終わったら閉めるから、また声かけろよ。あ、私立の資料はこっちで公立は……」
「いいからもう! ほらほら行って!」
「おい、そんな押すな」
ぐいぐい先生の背中を押して、進路指導室から追い出した。
なんかさあ、清水先生ってちょっとコウに似てない?
この疲れる感じとか。
「藤村さんて、清水先生と仲良いよな」
「はあ? どこが?」
「清水先生も藤村さんのこと、かなり可愛がってる感じがする」
それはたぶん、
あたしが前の学校で不登校だったから気にかけてくれてるだけだ。
「可愛がられてるってゆーか、おちょくられてる感じしかしないんだけど」
「清水先生は生徒をおちょくったりしないよ。真衣は大事にされてる」