可愛くないって言わないで!!
なんで?
先生いなくなるの? 転勤?
あたしたちの卒業と同時に、清水先生もこの学校を卒業するの?
頭に浮かぶのは沙弥。
沙弥の泣顔だ。
卒業しても、清水先生がいるなら何度でも中学に遊びに来ようって思ってた。
沙弥だって思ってたはず。
だって、沙弥は清水先生がずっとずっと好きだったんだから。
職員室に入れずにドアのところで固まっていると、
清水先生がおしゃべりを終えて職員室を出ていく。
あたしはあわてて、進路指導室の方のドアから廊下に飛び出した。
「清水先生!」
「おわっ!? 藤村?」
「先生、この学校辞めちゃうの!?」
清水先生はぎょっとしたように周りを見てから、
あたしを進路指導室に引きずりこんだ。
「お前、声大きすぎ」
「だって……っ」