可愛くないって言わないで!!
不安
走って戻ると、教室の前に目的のふたりがいた。
笑ってる。
仲直りできたんだ。
沙弥のことは殴らなかったみたいだ。って、当たり前だけど!
声をかけようとした時、
コウの手が沙弥の頭を気安げに小突いた。
沙弥が笑う。コウも笑う。
なんて仲の良い……。
いや。
いやいやいや! 嫉妬してる場合じゃないし!
「沙弥! コウ!」
今度こそ声をかけて駆け寄ろうとした時、
いきなり伸びてきた手に腕をつかまれた。
「いた! 藤村さん!」
「はっ!?」
ぎょっとして横を見ると、見覚えのある小柄で頬にそばかすのある男の子。
必死な様子であたしを見てくる。
あ。思い出した。
彼、文化祭実行委員の人だ。
「お願いします! ミスコンに出てください~!」
「またその話!?」