可愛くないって言わないで!!
「出てってよぉ……」
ぽろぽろ涙をこぼしてタオルケットを拾い上げると、
真子はまたそれをかぶってベッドでまるくなった。
この街に来る前のあたしみたい。
あたしもちょっと前までは、こうやってベッドの上で何をするでもなく過ごしてた。
真子に同じようにはなってほしくないよ。
真子はもっと生意気でいてくれなきゃ。
あたしはそっと真子の部屋を出た。
部屋を出ても、妹のすすり泣く声が聞こえてきて悔しくなる。
謝らないよ、真子。
あたしは悪くない。
その代わり、あんたはお姉ちゃんが守るから。
部屋に閉じこもりっきりになんてさせないから。
決意を胸に、真子の部屋を離れた。
明日はきっと、想像以上に忙しくなる。
それがわかってても、あたしの心は燃えていた。