可愛くないって言わないで!!
スリッパから外靴に履きかえて、玄関を出る。
途端に容赦なく照りつけてくる太陽。
でもいまのあたしは気分が良いからイライラしたりしないんだ。
はやく真子に、美奈子ちゃんがおお泣きしたことを教えてあげたい。
「は~あ。笑った。うし、帰るか」
コウがそう言った所で、玄関から誰かが出てきた。
振り返ると、かっこいい宇野くんが上靴のままこっちを見ていた。
「ふ、藤村のおねーさん!」
「どしたの宇野くん」
「藤村、大丈夫なんですか!?」
緊張したように、頬を赤くして宇野くんが聞いてきた。
もしかして……もしかする?
宇野くん、真子のこと好きだったりして。
そこまでいってなくても、気にはしてくれてる。
真子。やったじゃん。
「大丈夫だよ。絶対月曜、学校行かせるから」
「俺、お見舞いとか……」
「それはいい。まだ会わないであげて。でも月曜、きっと真子不安がってると思うからさ。宇野くん、助けてやってよ」