可愛くないって言わないで!!
でもうらやましいからって、自分じゃない誰かになるなんて。
そんなのは無理だ。
その人は、その人にしかなれない。
あたしはあたしひとり。
あたしはあたしにしかなれないのだ。
だからみんな、自分のことを大事にしなきゃなんないんだと思う。
自分にしかなれない自分を、愛さなきゃいけないんだと思う。
だからあたしはあたしが好き。
性格ブスって言われても、女子から笑えるくらい嫌われても、
傷だらけだって言われても。
あたしはあたしが大好きだ。
なーんて、あたしけっこうイイこと考えるじゃん。
のんきにそんなことを思っていたら、
「真衣」
小津くんに呼ばれて、何も考えず顔を上げた。
「……え?」
頬に、乾いた感触。
小津くんが、あたしの頬をかすめるようなキスをした。