可愛くないって言わないで!!
「大丈夫だってば! 鏡ちゃんと見て! いまの真子は、どっからどう見ても美少女だよ! あたしの小さい頃にそっくり!」
あたしには及ばないけど。
そう言うと、真子はいつもの呆れた目を鏡ごしに向けてきた。
「お姉ちゃんてほんと、一言余計だよね」
「真子はほんと、生意気だよね」
お互い貶しあって、鏡ごしに笑い合う。
よかった、真子元気でてきたみたい。
なんとか学校に行く気になってくれて、一緒に家を出た。
「どうする? 小学校まで一緒に行こうか?」
「いらない」
「なんならもう1回、美奈子ちゃんにキツく言ってあげるけど?」
「ほんとやめて」
げんなりする真子の背中をぽんと叩く。
うん。あたしが一緒に行く必要なかったね。
だってお迎えが来てる。