可愛くないって言わないで!!
「真子、宇野くんだよ」
「えっ」
真子が顔を上げると、家の前に宇野くんが立っていた。
目を丸くして真子を凝視してる。
「え……藤村?」
「う、宇野くん。なんで……」
宇野くんはハッとしたように姿勢を正して、顔を引き締めた。
でも頬がちょっと赤い。
真子が可愛くて見惚れたな。
「藤村。一緒に学校行こ」
「あ、あたしと? でも……」
「大丈夫! 俺が藤村を守るから!」
言ったー!
よく言った宇野くん!
宇野くんは真っ赤になった真子の手を取って、頼もしく歩きだした。
なんて初々しいふたりの背中。
「藤村、すげー可愛くなったな」
「そ、そんなこと……」
「いまの藤村もいいけど、前の藤村も俺好きだよ」
「えっ!?」
うわー。
宇野くんてば超積極的。
こりゃ小5にして、真子彼氏できちゃうな。