可愛くないって言わないで!!


「真子、宇野くんだよ」


「えっ」



真子が顔を上げると、家の前に宇野くんが立っていた。


目を丸くして真子を凝視してる。




「え……藤村?」


「う、宇野くん。なんで……」



宇野くんはハッとしたように姿勢を正して、顔を引き締めた。


でも頬がちょっと赤い。



真子が可愛くて見惚れたな。



「藤村。一緒に学校行こ」


「あ、あたしと? でも……」


「大丈夫! 俺が藤村を守るから!」



言ったー!


よく言った宇野くん!



宇野くんは真っ赤になった真子の手を取って、頼もしく歩きだした。



なんて初々しいふたりの背中。




「藤村、すげー可愛くなったな」


「そ、そんなこと……」


「いまの藤村もいいけど、前の藤村も俺好きだよ」


「えっ!?」



うわー。

宇野くんてば超積極的。


こりゃ小5にして、真子彼氏できちゃうな。

< 287 / 289 >

この作品をシェア

pagetop