可愛くないって言わないで!!


「なんでお前、そんなツンツンしてんの? 顔が良くてもそれじゃモテねーだろ」


「残念だけど、あたしはなにしてもモテちゃうの。毎週告白されて、知ってても知らなくても毎日男子からメールきて、勝手に写真とられて売られてそれをクラスの男子みんな持ってて、朝と帰りは絶対誰かかれかが待ち伏せしてる。そういう生活だったのっ」


「それはお前、モテるっつーか……よくいままで無事だったな」


「ふん。危ないこともあったけどね」


「もしかして、それが親に男子と仲良くするなって言われてる理由? 転校もそのせいとか?」



あたしはちょっと考える。


転校にいたるまでには、色んな理由があった。



「それもある。あとそのせいであたしが全校女子に嫌われたのも理由のひとつ」


「あー。お前性格キツそーだしな」


「別にあたしは何もしてないし悪くない。ただあたしが可愛くてモテるから、ひがまれてシカトされてただけ」


「ははは。んなわけねーだろ。可愛くてモテるだけでいじめられんなら、沙弥なんかとっくに不登校だぞ」

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