可愛くないって言わないで!!
「黙ってても目立っちゃうんだからしょーがないじゃん」
「もうあたし、転校やだ。次はお姉ちゃんひとりで転校してよね」
「真子。やめなさい。……真子は小学校どうだった? クラスになじめそう?」
「お姉ちゃんがまた目立つことしなければね」
「真子……」
「ごちそうさま」
真子はさっさと食事を終わらせて、自分の部屋に消えていった。
古い家の廊下がみしみし鳴って、やがて静かになる。
「真子もそろそろ反抗期かしら……」
「なんで真子ってあんなに暗いの? 顔が普通すぎるんだから、にこにこしてないと可愛くないよね」
「真衣はまたそういうことを言う。真子まで転校しなきゃいけなくなったのは、あんたのとばっちりでもあるんだから。お姉ちゃんらしく優しくしてあげなさいよ」
別にあたし、転校したいなんて言ってないのに。
勝手に決めたのはお父さんとお母さんじゃん。