可愛くないって言わないで!!
立ち上がった島田光太郎が、
血走った目であたしを見下ろしていた。
唇をふるわせて、拳を強く握りしめて。
怒りをたたえてあたしをにらみつけてくる。
そんな顔もできるんだ。
ジンとしびれる頬を押さえて、そんなことを考えたけど、
すぐに自分がされたことを理解して頭がカッとなった。
ありえない!
なにしてくれてんの!?
「あ、あんたいま! あたしの顔!」
「てめぇいい加減にしろよ!!」
「はあ!? そっちこそ! よくもこの顔を平手打ちなんて……っ」
「てめぇなんて全然可愛くねーんだよ! 性格の悪さが顔ににじみ出てんだよ! 性格ブスが!!」
そう叫ぶと、島田光太郎は机やイスをを蹴散らして教室を出ていった。
なぜか、
いまにも泣き出しそうな顔をして。