可愛くないって言わないで!!


なんで、わかるの?


確かにあたしはあの時、なんとかしてあの子を攻撃しようとしてた。


欠点なんて、あの長いスカートくらいしか見つからなくて。



あんな事情があるって知ってたら


あたしだってそんな……



あたしだって……




「どうする? 謝る?」


「小津くんて……」


「ん?」


「優しそうに見えて、意地悪いよね」



面白くない気分でそう言うと


小津くんはメガネの奥の瞳をまるくして、それから笑った。



「よくわかったね。俺性格悪いんだよ」


「ふーん」


「人に指摘されたのははじめてだ」



性格悪いとは言ってないけど。




そのあと島田光太郎が戻ってきたけど、

やっぱりあたしたちは目も会わせず、口もきかず。


小津くんが少し、呆れたように笑っていた。








< 57 / 289 >

この作品をシェア

pagetop