可愛くないって言わないで!!
なんで、わかるの?
確かにあたしはあの時、なんとかしてあの子を攻撃しようとしてた。
欠点なんて、あの長いスカートくらいしか見つからなくて。
あんな事情があるって知ってたら
あたしだってそんな……
あたしだって……
「どうする? 謝る?」
「小津くんて……」
「ん?」
「優しそうに見えて、意地悪いよね」
面白くない気分でそう言うと
小津くんはメガネの奥の瞳をまるくして、それから笑った。
「よくわかったね。俺性格悪いんだよ」
「ふーん」
「人に指摘されたのははじめてだ」
性格悪いとは言ってないけど。
そのあと島田光太郎が戻ってきたけど、
やっぱりあたしたちは目も会わせず、口もきかず。
小津くんが少し、呆れたように笑っていた。