可愛くないって言わないで!!
体育が終わってからも、授業の合間の休憩時間に廊下に出ては、彼女の姿を探した。
隣の教室をのぞいてみたけど、気づいた女子にドア閉められたりしてムカついた。
あたしよりよっぽど性格悪いじゃん。
昼休み。
おやつにと思ってこっそり持ってきてたカロリーメイトを手に、あたしはまた隣のクラスをうかがってみた。
トイレに行くふりで。
桂木沙弥は、教室のまん中あたりの席で友だちと笑いながら喋ってる。
ひとりになること、なかなかないな。
いっそ小津くんに呼び出してもらった方が早くないかな。
「おい。何してる」
いきなり腕をつかまれて、
振り返ったら島田光太郎がいた。
「……なに?」
「だから、お前が何してんのかって聞いてんだよ」
「別に。トイレ行こうとしてただけだし。放してよ」
「嘘つけ。いま沙弥のこと見てただろ」