可愛くないって言わないで!!
「藤村真衣です。今日からよろしくお願いしまーす」
職員室で、担任の先生に挨拶。
担任は若い男の先生だった。
しかもそこそこかっこいい。
清水先生って名前で、クールな雰囲気でスーツは細身でぴしっとしてて、モテそうな感じ。
でもそんなことよりも、あたしを見て特別なリアクションのない清水先生の態度に驚いた。
しつこいようだけど、あたしの可愛さは異常だ。
普通ならもっとこう、びっくりするっていうか。
もしくは見惚れたりとかあるものだけど。
清水先生は何も、本当に何もなかった。
むしろそっけないくらい。
前の学校じゃべたべた触ってくる先生もいたから、そういうのがないならそれはそれでいいんだけど。
なんか釈然としない。
「短い間だけどよろしく。じゃあ早速教室行くか」
出席簿を持って清水先生が立ち上がる。
そろって職員室を出ていく時、他の男の先生がみんなちらちらあたしを見ていた。
これが普通なんだけど。
清水先生って、目が悪いか、趣味が悪いんだろうか。