可愛くないって言わないで!!

なんだか……似てるね。


強くて弱い。

あたしたちはたぶん、とてもよく似てる。





「……あたし帰る!」



膝を叩いて、勢いよく立ち上がった。


座ったままの先生は、目を丸くしてあたしを見上げている。



「なんかすっきりしたかも!_先生ありがと!」


「お、おう? よくわからんけど、役に立てたならよかったよ」


「あはは。またあたし間違っちゃうかもしれないけどさ、そしたら先生もう1回グチ聞いてくれる?」


「いくらでも。俺はお前の担任だからな」


「あ。でもあたし別に先生に気があるわけじゃないから。先生も変な気起こさないでよね!」


「ばーか。俺はガキに興味なんてねえよ。生意気言ってんな、転校生」



そうやって笑う先生に、あたしはすごく安心した。

前の学校にも、清水先生みたいな先生がいたらよかったのに。




「じゃあね、先生。また明日!」



廊下を走るなって怒られたけど、

聞こえないふりであたしは駆け出した。








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