可愛くないって言わないで!!


「ほら。つまりあたしとおそろいになるわけだけど……どうする?」


「え?」


「それ。受けとるの? 受けとらないの?」




視線がぶつかる。

この至近距離で、正面から。



そらさない。


そらされない。





しばらくすると、


彼女は花がほころぶような可憐な笑顔を見せてくれた。





「大切にする。素敵なプレゼントをありがとう、藤村さん」




本当に、彼女は大切そうにスカーフに触れた。



肩から力が抜ける。

ずっごく……ほっとした。



なぜだか、泣きそうになったのは秘密。




「よかった。……あたしのこと、真衣って呼んでいいよ」


「ふ……ふふふっ」



口許を隠して、上品に笑う彼女。


おかしそうで、うれしそうな、心からの笑顔って感じ。
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