可愛くないって言わないで!!


結論。



「やだ」



島田光太郎は、情けない顔してパピコを口から離した。



「お前、ここは可愛らしくビンタするとこだろ」


「やなものはやだ」


「頼むって~」


「断る」




パピコ1本であたしのビンタもらおうなんてセコい。

セコすぎる。



お金払ってでもあたしのビンタがほしい男はたくさんいるはずだ。


実際前に通ってた塾で、そう言ってきたバイト講師がいた。


もちろん塾にチクッてクビにしてもらったけど。


あれはキモチワルかったー。




「あんたねぇ。ビンタひとつでチャラになるとでも思ってんの?」


「いや、そういうわけじゃ……。ちょっと思ってたけど」


「甘い! チャラになんてなるわけないじゃん。あんたの顔とあたしの超可愛い顔じゃ価値が全然ちがうんだから」

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