可愛くないって言わないで!!

清水先生はここではじめて、歩調を緩めてあたしを見た。



「でも、登校拒否だったんだろう?」


「だって、学校に行くとイライラするから」


「イライラ?」


「あたしは可愛いだけで悪いことは何もしてないのに、なんでシカトされなきゃいけないの?って、イライラ」



正直に答えた途端、清水先生は吹きだした。


なんで?

あたしは真面目に答えてるのに。



「なんで笑うんですか」


「ははははは! いや、悪い。妙に納得してしまって、ついな」


「納得って、あたしの可愛さに?」



首を傾げてそう聞くと、清水先生はもう耐えられないとばかりに大笑いし始めた。

目に涙まで浮かべて。


なんで笑うのか、全然わからない。



とりあえず、新しい担任はかっこよくて、笑い上戸で、失礼で、


変わってることだけはよくわかった。





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