可愛くないって言わないで!!
左手が、しっかり握られる。
なんで……
なんであたし、こんなにドキドキしてんの?
相手はコウだ。
バカでムカつく失礼なコウだ。
それなのに、なんで……。
「俺、お前のことけっこう好きかも」
「!?」
あたしの手を握ったまま、
コウはニッと眩しい笑顔でそう言った。
だから言ったじゃん。
男は結局みんなあたしを好きになるんだよ。
って、
いつもの調子で鼻で笑えばいいのに。
ドキドキし過ぎて、何も言えなかった。
ただ固まって、コウの笑顔を見ていた。
顔が燃えるように熱かったのは、
夏の太陽のせいだけじゃ、きっとない。
あたしの初恋が、やってきた。