青い少女の
空気
図書館は好きだ。
自転車を停めて自動ドアをくぐる。
右には警備員が居て左には知らない人の銅像がある。
空気がヒンヤリしていた。一階から二階へ上がる階段はよく研かれていて鏡のようだ。
冷たい空気に晒されて階段の手摺も冷えていた。
私は、この研かれた床に映るシンメトリーな風景が好きだ。
少し薬の匂いがする冷えた空気も…
誰も人を気にしない雰囲気が私には心地よいし落ち着く。
人間のあらゆる感情を経ちきるような空気が私には何より清潔に思えた。
私の肺の空気を入れ換える為に大きく深呼吸をした。
床には青い私のスカートが映る。

私は、自分よりも大きな棚から適当に本を選び、自分の席を探した。
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