ただ愛されたいだけ

泰君は私をそっと抱きしめた

壊れ物を扱う様に…そっと


「俺は何があってもお前の味方だ」

涙が溢れだしてきた


『なん…で?…なんで…そんな…

そんな優しくするの…なんで…ひっく』


「俺はな?

お前に憎まれ口ばっかだけど…

本当はお前の事大切におもってんだよ…

初めて女の年下をこんなに可愛がるし

本当の妹みてぇーに大切なんだ

話したくねぇーんならそれでいい…

でも…話せるなら…

話してくれねぇーかな?」




しばらく黙って…いた


私は恐る恐る口を開いた…


『父親にやられたんだ…機嫌が悪かったみたい…笑えるよね…本当…』


泰君は黙って私の目を見た

私は目を逸らした


その瞳は怒りに満ちていたから





私は話しだした…ゆっくり…
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