3つのR
うーんと私は考える。特に、子犬や子猫だったらきっと寂しがるよね。あまり家にいない飼い主では。だって私だって、一人で待っていて寂しかったし―――――――――・・・
「ところで」
龍さんの低い声で、私の思考は破られる。え?と見上げると、体も顔も前をむいたままで目だけをこっちに寄せて、彼がじいーっと私を見下ろしていた。
―――――――――うひゃあ・・・。
「え、どう・・・したの?」
少し、いやかなりビビッて私は体を固くする。な、なんでしょうか。何でこんなに真顔なんですか?垂れ目の龍さんは普通にしてても愛嬌がある可愛い顔だけど、ちょっと・・・あのー・・・怖いんですけど。
ダラダラと心の中でそう思っていたら、彼のひっく~い声が聞こえた。
「あの男、誰?」
「―――――――――」
・・・お、怒って・・・る?
「あの・・・徳井さん、です。犬の散歩で会う・・・」
何て答えたらいいかが判らなくて、とりあえず知っているから名前を言ってみた。男性です、なんて答えたら「見たら判る!」って怒鳴られそうだし・・・。
目だけを向けていた龍さんが、視線を私から外して少し考えるような顔をした。それから一人で、ああ、と頷く。