3つのR


 私はいよいよ困って首を傾げる。どうしたらいいのだろう。私、もしかしてどんどん地雷を踏んだりしてるのかしら。それともポンポン手榴弾でも投げているのかしら。

 龍さんは座って折った膝の上に両腕を伸ばした状態で不機嫌そうに言った。

「ジュンコさんは、あの人と俺とどっちが好き?」

「え」

 自分の口元が引きつったのが判った。

 ええー・・・どうしていきなりそんな質問するのよこの人はああああ~・・・。困りまくって泣きそうになる。嘘でしょ、ここ公園ですよ、公園。緑豊かな公園の中央にある池の周りで、他の通行人もいるんですよ!さっきから大の大人が二人で向かい合ってしゃがみ込んでるから、それなりに目立ってるんですよ~!!

「・・・って、ちょっと、龍さ~ん・・・何でそんな質問なんですかああ~・・・」

 ううう、本気で泣きたい。・・・恥かしくて。

 冷や汗か脂汗かがダラダラと出る。なぜ私はこんなことに。ああ・・・おねえちゃーん!って叫びたい。いやいや、ダメでしょ私!

 いい歳した大人なんだから、ここは、何とか自力で対処すべきでしょ!

 パニくる私には構わずに、龍さんはどんどん質問する。

「どっちも嫌い?」

「や、えーっと・・・嫌いなんかじゃないです」

「じゃあ好き?」

「あの、ええ、まあ、はい」

「どっちの方がより好き?」

「こっ・・・」

「こ?」


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