3つのR


「あはははははは!!ジュンコさんすんげー顔になってるよ~っ!!」

「うひゃああ~!」

 忘れてた!化粧落ちてるんだった!私は慌てて両手で目元を隠す。うわーん、うわああああーん!もう何てことよおおおおー!!

 急いで指で目元を擦るけど、きっとそんなのでは追いつかないほどの崩れ方なのだろう。だってこんなに笑われてるんだもの。

 ゲラゲラと彼の明るい笑い声がそこら中に響く。私は恥かしさのあまり、もう今殺してって天にお願いしたくらいだ。

 だけどその内あまりにも笑われて腹が立ってきた。

「もう、いいです!」

 両手を離して開き直る。

「一人でずっと笑ってて下さい!龍さんなんてしりませんから!」

 パンダ目が何なのだ!赤い鼻が何なのだ~!もう、私は絶対家に帰るんだから!そう決心して私はきっと天を睨んだ。

「あははは、ちょっと、待って」

 パッと立ち上がった私の手を、彼が素早く掴む。まだ漏れる笑いを噛み殺しながら、龍さんが下から見上げて言った。



「ねえジュンコさん。俺をあんたの男にしてよ」



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