3つのR
目が、点になった(と思う)。
「―――――――え?」
一時的に難聴にもなったらしい私は、怒ることも忘れて彼を呆然と見下ろす。
背の高い龍さんを見下ろすことなんて滅多にない。そんなレアな経験をしているとは気付かないくらいに、ビックリしていたのだ。
・・・この人今、何て言いました?
龍さんは私の手首をつかんだままで、にっこりと笑う。彼の短くなった髪が耳元の3つの輪っかの側で揺れているのが見えた。
「俺を、ジュンコさんの男にしてよ。―――――――告白してんだよ。あんたが好きだって言ってんの」
「・・・」
「ジュンコさんのペースに合わせてたら俺がジジイになりそうだからさ、もういいやって思って。俺は、やっぱり自分のやり方でやらせて貰うよ」
「・・・は・・・」
やり方?自分のやり方で、一体何をするんですって??
私は呆然としたままで、よっこいしょ、と言いながら立ち上がった龍さんを見詰める。・・・やっぱりこの人、背が高いんだなあ~・・・呆然とする余りそんなことを思っていた。
彼は掴んでいた私の手首から指を移動させ、そのまま手のひらに包んで自分の胸元押し付ける。
ぶわっと、一気に体温が上昇したのが判った。