3つのR
自分で働こうかと考える前に妻になってしまっていて、他の道を模索しなかっただけで。
でも元からあまり男性に対して興味や希望を持ってなかったのかも、と。
だから再婚どころか、もう一度誰かを好きになることすらないのではないかって。
私だけでなく、両親も姉もそう思っていたのだろう。だから、私には再婚のお見合いや知人や親戚からの男性の紹介などは一切なく、実家で体を治していた。
そして、立ち直ったと思えてから姉と二人で住んでいるのだ。
離婚してから恋愛対象の男性がゼロの状態で、既に5年。
なんと、なんと、私に彼氏が出来たのだった。
それはだから、私や私の周囲の人間にしてみればまるで彗星が自分の家の庭に落ちてきたかのような驚きだった。
余りにも現実的でなくて、え?と必ず聞き返すような。
まさか、って。皆が最初にそういうような。
それもその相手が、今まで私の周りにいた人達とは外見の雰囲気からして違うような、良くも悪くもやたらと目立つ男性で―――――――――
「嬉しいいいいいいいい~・・・・」
姉が、見事に酔っ払った。
私が龍さんとお付き合いをすることになったのは、彼女はすぐに知ったのだ。あの「デート」をした帰り、家に戻った私をひっ捕まえて、姉はまず、どうして泣いた後のような顔をしているのか、と聞いた。