3つのR
きゃーきゃー!一人で想像して照れ、お湯をバシャバシャと顔にかける。
「・・・」
顔にかかってゴホゴホと咳き込んだ。
・・・恥かしい。私ったら、一人で、もう!
外が真っ暗になったのを確認して上がることにした。30分ほど入ったかな、龍さんは起きてるかな、と思いながら部屋着を着る。
下着をつけて、コットンのワンピースをバサッと被って着る。薄いベージュで、髪の色が薄くなった私がこれを着ると妖精みたいな雰囲気だ、と言って姉が私に押し付けたものだった。
そういえばお姉ちゃん、仕事終わったかな・・・。
今朝になったらやはり仕事に終われていた姉を心配しながら、荷物を持って離れの部屋へと戻った。
ドアを開けたら廊下の明りが真っ直ぐに入って、真っ暗な部屋の中のベッドの一つで眠る龍さんが浮かびあがる。まだ枕を抱きしめていた。
・・・よく寝てるなあ。でももうあと20分くらいでご飯だし、起こしたほうがいいよね?
私は荷物を自分の鞄の上に落とすと、ベッドサイドのランプをつけてから、眠る龍さんの上に屈み混んだ。
「りゅー・・・」
龍さん、とよぶつもりだったのだ。
だけどそっと彼の頭の上に落とすはずだった腕は寸前でガシッと捕らえられて、私は悲鳴を上げる暇もなくベッドの上へ倒れこむ。凄い力で引っ張り上げられて、わけが判らないままで組敷かれる。
倒れこんだ私の上にぐっと覆いかぶさって、龍さんが低い声で言った。
「暗闇の中に、俺を一人で置いてっちゃダメだよ」