3つのR


「えっ・・・?あ、へ・・・」


 ベッドサイドの明りに浮かび上がった龍さんは、いつもは笑ってるたれ目の瞳を細めて睨みつけていた。口元も厳しく引き締まり、私はその真剣さに驚いて言葉を失う。

「・・・龍さん?」

 強い力でベッドに押し付けられていて、両手首が痛かった。彼は完全に私の上に被さっていて、非常に不機嫌そうに見える。

 弱いライトが彼の顔に陰影を作っている。細めた瞳に暗い影がって、それが私の体を強張らせる。

「い、たっ・・・」

「どこ行ってた?」

 ―――――――怖い。

 私は何とか声を出して説明しようとする。

「あ―――――あのー・・・」

 身を捩ろうとしたけれど、すぐにその圧倒的な力の前に屈してしまった。手首が、痛い・・・。何で、こんな。龍さんは一体どうしたんだろう・・・。

「お、お風呂に・・・龍さんが、寝てたから・・・」

「・・・風呂?」

「そ、そう。あの・・・起こした方が、良かった?」

 ふ、っと手首の力が緩んだ。

 彼は私の隣にごろりと落ちて寝そべる。捉えられた時と同じくらいにいきなり解放されて、私は驚くばかりだった。


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