3つのR
離して、と言う前に、彼は自分の体を持ち上げてもう一方の手を私に伸ばす。私が呆然としている間に腰を引き寄せられて、さっきとは違った形で押し倒されてしまった。
ドサッと音がするほどに私の体がシーツに沈みこむ。彼は私の上によっこいしょと跨って、嬉しそうに見下ろした。
「うーん、そうか。風呂上りのジュンコさん、それはものすご~くそそるよねえ」
瞳がキラキラと輝いて、舌なめずりしそうな勢いだった。
「え?ええ!?あのあの、ちょっとま――――」
「待たないっしょ。折角二人きりで、こーんなにいい匂いする女の子が俺の下にいるのにさ」
いやいやいやいや!女の子じゃないし!ってそこじゃないし、突っ込むとこ!私は一人で大パニック状態だ。彼は嬉しそうにククク・・・と口の中で笑いながら、ゆっくりと私の首筋に顔を埋める。左手で私の顔を固定して、右手で邪魔な掛け布団をはがしてかかる。
彼の唇が私の肌を滑る。そこが一々ちりちりと火花を立てるように熱くなって、私はつい体を震わせる。
「ちょっ・・・あの、あの、龍さん!」
「んー?」
「ご、ご飯だから!!」
パッと龍さんが顔を上げた。
「ご飯?」
私は必死で叫んだ。
「そ、そう!だってもう7時だし、ほら、ご飯は7時からって・・・」