3つのR
彼が住んでいるのは古い5階建ての鉄筋アパートで、その一番上だった。部屋が一つとトイレ、シャワー室。ほとんど家具のない龍さんの部屋は、ベッドと炬燵テーブル、それと段ボールが5つほどと本棚、それくらいだった。
ここでは料理は作れない、と以前彼が言っていた通りに、そのお湯が沸かせるかなってくらいの小さなキッチンは全然使用されていないらしく、服や雑誌が積み上げてある。
適当にしてて、そう言って、龍さんはさっさとシャワーに行ってしまった。
「・・・相変わらず、何もない」
テレビもなければラジオもない。適当に、何をすればいいのでしょうか・・・。
私は困って、カーテンすらかけられてない窓辺による。冬は寒くない?って最初にこの部屋に来た時に聞いたのだ。そうしたらケラケラ笑って、寒いけど、別に苦じゃねーな、と返事がきた。高いから覗かれる心配もないし、どうせ寝るだけの部屋だしって。
それからその時、彼は私を抱き寄せながら、ジュンコさん暗くないと裸になってくれない?と聞いて、私を羞恥心で殺しかけたのだった。
その時の恥かしすぎる記憶を掘り返して一人で悶え苦しんでいると、龍さんがシャワーから上がってきた。
「え?もう?」
早い!私は驚いて、思わず上半身裸の龍さんを凝視してしまって――――――――慌てて背中を向けた。
「服きてよ~!」
「あはははは、予想通りでちょっと面白いな~」