3つのR
ケラケラと明るく笑って、彼はシャツを着たらしい。衣擦れの音がしたので私はほっと息をはく。良かった・・・これから頑張って話をしなきゃならないのに、彼が裸だとまったく話に集中出来なさそうで―――――――
私の背中から、さてと、と龍さんの声が聞こえた。そして続いてこんな言葉が。
「ジュンコさんさ、俺と別れたいの?」
―――――――――え?
私は目を見開いて、ぱっと振り向く。龍さんは一応シャツを着ていた(というより羽織っていた、だ)けど、上半身の前が全開の状態で、ペットボトルから水を飲んでいた。
引き締まった筋肉、滑らかな肌。惜しげもなく晒したその姿の格好良さにくらりと来たけれど、それよりも驚きの方が大きかった私は気にせずに叫べたのだ。
「りゅ、龍さん私が嫌いになっちゃった?!」
やっぱりやっぱり鬱陶しかった?それともイライラするから?
私の勢いに驚いたらしく、彼は少々仰け反って、苦笑した。
「あ、違うんだ?俺ってば今まで大体こんな感じで別れましょうって言われたからさ、そうなのかと思って。何かジュンコさん、思いつめた顔してたし。わざわざ着替えてって、こりゃあ重大な話なんだな、と」
違う、違うのに~!私は慌てるあまりに舌を絡まらせて、懸命に言葉を捜した。
「いえっ・・・違い、ます!あの――――――そうではなくて・・・一緒に・・・」
龍さんが首を傾げた。
「一緒に?」
「い、一緒に住めないかなって思って・・・それで――――――」
「あ?俺とジュンコさんが?うん、いいよ、オッケー」
え。