3つのR
私は真っ赤になって口をぱくぱくさせる。一緒に住むってだけで私にしてみたらかなりの勇気だったのに、この上そんな、一緒の部屋で寝るのですかっ!?
そ、そ、それって私、ちゃんと眠れるのですかっ!?
まさしくそんな驚きだった。
龍さんは垂れ目を大きく見開いて、からかうときの顔をして言う。
「ジュンコさん、本当にバツ1?結婚してたこともある女がどうしてそこで驚くわけ?元ダンナは通い婚だったのか?」
「い、い、いやいや、そんなことないけどっ!でも、夫とは結婚してたわけで――――――龍さんは彼氏だし――――――」
私はあわくってわたわたとそういう。だけどそれは地雷だったらしい。彼は次の瞬間には機嫌を損ねた顔で、ぐぐーっと私に近づいた。
「・・・結婚してるのも同棲も、一緒だよ」
「へ・・・」
「いや、むしろ結婚より同棲の方がやらしいだろ。義務や責任がない同士が一緒に住むんだから」
「・・・えーっと、あの・・・」
「ジュンコさんは俺と寝るの、嫌なわけ?」
「い、いえいえいえ!そんな、こと、は、ないんですが・・・」
「ないけど、何?」
「い、いいいいえ、あの・・・大丈夫です」
「じゃ、同じ部屋で」
「う、あ、はい」
龍さんがにーっこりと笑う。
そんなわけで、姉が使っていた部屋は私の仕事部屋になり、私の寝室は二人の寝室へと変貌を遂げたのだった。