3つのR
私はちょっと困って、そお~っと言葉を出した。
「・・・泣かせたいって思ってたの?」
すると急速でガラリと彼が表情を変えて―――――――――――にや~っと笑った。
「うん。苛めて苛めて苛め抜いたらどんな顔するかなって想像した」
恐怖のあまり、強烈な眩暈に襲われた。
「そ・・・想像、だけに、しといて下さいね」
ちょっと前までは包み込むような気持ちでいたのに、今では私は唸っていた。何てことよ~・・・私苛められるの嫌なんですけど。
・・・ていうか、もしかしてこの至近距離は、大変、危険なのでは・・・。
彼の体からパッと手を離す。それからソファーの上で、体を離すべく後ずさった。
龍さんはだらんと背もたれにもたれ、ニヤニヤしたままで首を傾げる。
「おや~?慰めてくれるのはもうお終いなわけ?うれしかったんだけどなあ~。もっかい胸にぎゅう~ってしてよ」
・・・きゃーっ!私は心の中で叫ぶ。もう、すんごい恥かしいんですけど!ちょっといきなり雰囲気というか、性格変わりすぎじゃない、この人!?さっきまでの傷付いた過去の回想はどこに消えたのよ~!
「・・・だってもういつもの龍さんでしょ。慰める必要ないでしょ!」
くくく・・・と龍さんは口の中で笑う。そしてすごく悪そうな顔をして、私を覗き込んだ。